寒冷地にお住いの皆さんへ              「暖房がペレットストーブ、給湯がエコキュート」の場合の冬季の水落としはどうするのか?

水落とし
博士
博士

友達が家を建てたんだけど、暖房はペレットストーブ、給湯はエコキュートにしたそうよ。
新築で迎える初めての冬に、家をあけることになって、凍結予防はどうしたら良いのか悩んでいるみたいなの。

助手
助手

それは組み合わせとしては、あまり良くないと思います。
少し一緒に考えてみましょう。

ペレットストーブとは

「木質ペレット」という森林の成長の過程で生じる間伐材やおがくず等から作られたものを燃料としています。

着火時等に電気を使いますが、火力調整がしやすく、薪ストーブより扱いやすいと思います。

電気を使わず、災害時、薪ストーブとして使用できる機種もあります。

エコキュートの仕組み

屋外に設置されたヒートポンプユニットから大気中の熱をくみ上げ、室内に設置された貯湯ユニットの水と熱交換することで、貯湯ユニットの水を温めてから、主に割安な夜間電力を使用して、効率良くお湯を沸かす給湯器です。

エコキュートの凍結予防

ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットの水抜きによる凍結予防

エコキュートの水抜きは、とても難しいです。
取扱説明書には、「水抜きはお買い求めの販売店に依頼してください。」と書かれている場合が多いです。

取扱い業者が使用する工事説明書には、「冬季をはさむ可能性がある場合は、機器や配管内に残った水が凍結して機器や配管が破損することがあります。貯湯ユニットとヒートポンプユニットの水を抜いてください。」等の書き込みから、貯湯ユニットとヒートポンプユニットの水抜きの仕方が説明されていますが、一般の人が機器の水抜きを行うのは、とても難しいです。

特に、屋外のヒートポンプユニットの水抜きは、少しでも水が残ってしまうと、ヒートポンプユニット自体が破損してしまうので、とてもリスクが高いです。

外気をくみ上げるための熱交換器は、ぐにゃぐにゃした長いパイプです。
コンプレッサーという空気を送り込む機械を使用し、ぐにゃぐにゃしたパイプの中の水をきれいに抜かないと、ヒートポンプユニットは屋外に設置されていますので、間違いなく凍結破裂します。

ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットの電源を入れておくことによる凍結予防

浴槽に循環口を超える程度のお湯(水)をはり、貯湯ユニットの漏電遮断器を「ON」にします。
外気温が低くなると、循環ポンプが作動し、機器内のふろ配管に浴槽内のお湯(水)を循環させて、凍結予防します。
また、屋外のヒートポンプユニットを動かして、ヒートポンプユニットの凍結を予防します。

しかし、その他の給水・給湯配管は、水抜き等の凍結予防をする必要があります。

給水・給湯配管の水抜き

寒冷地では、流し・貯湯ユニット・洗濯機・洗面化粧台・浴室・トイレ等の給水配管の水抜きをするバルブ、貯湯ユニットから流し・洗濯機・洗面化粧台・浴室に送られる給湯配管の湯抜きをするバルブが設けられています。

ただ、貯湯ユニットに送られる水を止めると、貯湯ユニットが「水がきていない」と判断し、エラーになります。
エラーになると、屋外に設置されたヒートポンプユニットの凍結予防が作動しなくなり、凍結破損します。

電気ヒーターによる配管の凍結予防

寒冷地では、配管には保温材が巻かれています。

基礎断熱の住宅で、セントラルヒーティングなら、暖房を最小で着けてておけば、配管の凍結の心配は無いでしょう。

しかし、ペレットストーブでは、不在時に燃焼させるわけにはいきません。

もし、ペレットストーブを着けていったとしても、ペレットを補給しないと火が消えてしまいます。

基礎断熱では無い住宅で、水抜きが出来なければ、配管に電気ヒーターを巻くしかないと思います。

貯湯ユニットへの給水配管、貯湯ユニットから送られる給湯配管、貯湯ユニットと屋外に設置されたヒートポンプユニットの間を循環する配管、貯湯ユニットと浴槽内のお湯(水)を循環する配管のすべてに電気ヒーターを巻くのですが、貯湯ユニットから流し・洗濯機・洗面化粧台・浴室等に送られる給湯配管が一番距離が長く、そのすべてに電気ヒーターを巻くのは、工事費用と維持費用が大きく、あまり現実的ではありません。

では、どうすれば?

寒冷地では、流し・洗濯機・洗面化粧台・浴室等に送られる給湯配管には、湯抜きバルブが設置されているでしょう。

しかし、湯抜きバルブを開けるためには、貯湯ユニットへの給水を止めなければなりません。

貯湯ユニットへの給水を止めると、貯湯ユニットがエラーになり、屋外のヒートポンプユニットが凍結破裂することになります。

やはり、冬季は出かける度に、面倒な水抜きを業者に依頼するしかないと思います。

まとめ

エコキュートの設置を考えているならば、住宅は基礎断熱にして、暖房は最小で着けておけるセントラルヒーティングにしましょう。

ペレットストーブの設置を考えているならば、給湯は、屋外にヒートポンプユニット等を設置する必要の無い給湯器にしましょう。
水抜きの手間がまったく違います。

補足

ペレットストーブもエコキュートも地球環境にとても優しい器具です。

ペレットストーブは、災害時には、薪ストーブとして使用できる機種もあります。

エコキュートも断水した時や非常時に、タンクのお湯(水)を生活用水として利用することができます。

ただ、寒冷地では、ペレットストーブとエコキュートの組み合わせは、あまり良くないと思います。

寒冷地にお住いではない方には、何のことかわからないような話だったかもしれません。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

スポンサーリンク

タイトルとURLをコピーしました