浄化槽を深埋めする場合でも、マンホール蓋の嵩上げは300mmまでです。
300mmを超える深埋めが必要な場合、原水ポンプ槽を設置して、深埋めを300mm以下にしなければなりません。
原水ポンプ槽が設置できない場合は、浄化槽の周囲に擁壁を立て、浄化槽のマンホール上部に保守点検が行るような空間をつくるピット工事を行ってください。
はじめに
家屋の生活排水を浄化槽に受ける場合、配管には、排水を流すために勾配を付ける必要があります。
そのため、配管は徐々に深くなります。
浄化槽の設置場所が家屋の建っている場所よりも低ければ、配管は深くならない場合もあります。
しかし、逆に浄化槽の設置場所が家屋の立っている場所よりも高ければ、配管はさらに深くなります。
そのようないろいろな状況に配慮することで、必要な浄化槽の設置深さが決まります。
しかし、浄化槽を深埋めする場合でも、浄化槽のマンホール蓋の嵩上げは300mm以下にしなければなりません。
300mmを超えると、大きな土圧が浄化槽本体にかかり、槽が変形したり、破損したりするおそれがあります。
また、保守点検時の操作・作業が充分に行えず、放流水質が悪化する原因になります。
原水ポンプ槽を設置して、浄化槽の深埋めを300mm以下に抑える方法もありますが、原水ポンプ槽を設置できない場合は、浄化槽の周囲に擁壁を立て、浄化槽のマンホール上部に保守点検が行るような空間をつくるピット工事が必要となります。
「嵩上げ工事」「原水ポンプ槽工事」「ピット工事」の施工例を示します。
嵩上げ工事
生活排水を排出する家屋から浄化槽までの距離が長くなる等、排水配管の勾配を確保するために、浄化槽を深埋めする場合があります。
この場合、マンホール蓋の嵩上げ工事を行います。
浄化槽の嵩上げは、300mmまでです。
嵩上げ工事の例を以下に示します。
300mmを越えると、大きな土圧が浄化槽本体にかかり、浄化槽が変形したり、破損したりするおそれがあります。
また、浄化槽の保守点検時の操作・作業が充分に行えず、放流水質が悪化する原因になります。
原水ポンプ槽工事
家屋からの生活排水を浄化槽に接続する流入管は、勾配を付ける等の理由で徐々に深くなります。
浄化槽の嵩上げ工事は300mmまでのため、家屋からの生活排水配管が、浄化槽の流入管接続口より深くなる場合があります。
そのような場合は、浄化槽の流入口の前に原水ポンプ槽を設置する必要があります。
原水ポンプ槽とは、排水を汲み上げるポンプを組み込んだ槽で、まず、家屋からの生活排水を槽に溜め、それをポンプで配管を通して浄化槽の流入管接続口に汲み上げます。
原水ポンプ槽と浄化槽の接続工事の例を以下に示します。
ピット工事
浄化槽の嵩上げ工事は300mmまでのため、原水ポンプ槽を設置して、浄化槽の深埋めを300mm以下にする必要がありますが、原水ポンプ槽を設置できない場合は、浄化槽の周囲に擁壁を立て、浄化槽のマンホール上部に保守点検が行るような空間をつくるピット工事が必要となります。
ピット工事の例を以下に示します。
土圧から浄化槽を保護するために、浄化槽の周囲に擁壁を設けてください。
ピット内には、水抜き用のドレインバルブを設けてください。
図は施工例ですので、擁壁にかかる土圧、上部からの荷重等を充分に検討して、擁壁の仕様を決めてください。
まとめ
家屋の生活排水を浄化槽に受ける場合、配管には、排水を流すために勾配を付ける必要があります。
配管は徐々に深くなります。
浄化槽の設置場所が家屋の建っている場所よりも低ければ、配管は深くならない場合もあります。
しかし、逆に浄化槽の設置場所が家屋の立っている場所よりも高ければ、配管はさらに深くなります。
そのようないろいろな状況に配慮することで、必要な浄化槽の設置深さが決まります。
しかし、浄化槽を深埋めする場合でも、浄化槽のマンホール蓋の嵩上げは300mm以下にしなければなりません。
300mmを超えると、大きな土圧が浄化槽本体にかかり、槽が変形したり、破損したりするおそれがあります。
また、保守点検時の操作・作業が充分に行えず、放流水質が悪化する原因になります。
原水ポンプ槽を設置して、浄化槽の深埋めを300mm以下に抑える方法もありますが、原水ポンプ槽を設置できない場合は、浄化槽の周囲に擁壁を立て、浄化槽のマンホール上部に保守点検が行るような空間をつくるピット工事が必要となります。
敷地の傾き、建物の位置等その状況により、浄化槽設置の方法は変わってきます。
地域の役所によっては、考え方が異なる場合もあります。
依頼する業者さんが調査し、一番良い方法を提案してくれると思いますので、よく話を聞きましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。