ストーブが燃焼しないの。
修理を依頼する前に、確認するところはあるかしら?
寒い時にストーブが燃焼しないと困りますよね。
状況に分けて考えてみましょう。
あなたは入居したてですか?
入居したてであれば、あなたの部屋用の灯油タンクに、灯油は入れてもらいましたか。
そして、タンク下に付いているバルブは開いていますか。
燃料屋さんに灯油を依頼すると、入れた後、バルブは開いていってくれると思いますが、入居前だと安全のために閉じたままにするかもしれません。
あなたが住んでいる部屋は2階ですか?
屋内用の小さな灯油タンクをストーブが置いてある部屋に設置している場合は別ですが、1階に屋外タンクが設置されている場合は、2~3階の部屋であれば、1階の灯油タンクから灯油を汲み上げるために、オイルサーバーが設置されています。
オイルサーバーは、脱衣室かトイレの壁の目線より少し高いくらいの場所にあると思います。
玄関外の階段室にパイプスペース(水道、下水道、灯油、ガス等の配管を通す空間であり、各部屋の水道メーター、ガスメーター等の設置場所にも使われたりします)があれば、その中にあるかと思います。
オイルサーバーのコンセントはささっていますか。
コンセントがささっているのであれば、オイルサーバー正面のランプ黄色1個、緑色3個が点いていますか。
黄色ランプが1個しか点いていない場合は、オイルサーバーまで灯油が汲み上がってきていません。
1階の灯油タンクから2階のオイルサーバーまで灯油を汲み上げるためには、呼び灯油が必要です。
最初に灯油を汲み上げる時、配管の中が空だと、空気に邪魔されて、オイルサーバーまで灯油が汲み上がってきません。
「オイルサーバー呼び灯油の仕方(例)」
オイルサーバーの本体カバーの下にあるカバー固定ねじをゆるめ、本体カバーを外してください。
配管の距離にもよりますが、オイルサーバーの注油口のロートから1.5Lくらいの灯油を注入します。
オイルサーバー正面の緑色のランプが1個点いたら、注入を止め、オイルサーバーの強制運転スイッチを入れてください。
オイルサーバーのモーターがうなりはじめ、正面のランプが緑色1個から緑色3個に増えていきます。
緑色3個が点いたら汲み上げ完了ですので、モーターは止まります。
オイルサーバーからストーブに灯油を流す流出弁フックを「開」の位置にしてください。
灯油を使用すると、オイルサーバー内の灯油が減っていきますので、緑色のランプが1個になると、再度モーターが運転を始め、灯油を汲み上げて、緑色のランプが3個点くと止まるという動きを繰り返します。
ランプの色や表示方法、呼び灯油の仕方はオイルサーバーの機種で異なりますので、オイルサーバーの取扱説明書をよく確認し、間違えないようにしてください。
扱っているのは灯油ですから、自信がなければ、専門業者に依頼しましょう。
灯油タンクを空にしませんでしたか?
2~3階にお住まいの方が、灯油タンクを空にすると、オイルサーバーに灯油が汲み上がらないままで、オイルサーバー内の灯油を使い切ってしまうため、オイルサーバーが空になってしまいます。
そのような場合は、灯油タンクに給油した後、オイルサーバーに呼び灯油をしなければ、灯油が汲み上がりませんので、お気をつけください。
ストーブを点火させるのは久しぶりですか?
ストーブの右側面の穴に、定油面器のリセットボタンがあります。
初めて使用する時や、シーズン初めには、定油面器のリセットボタンを軽く押し下げてください。
一度操作して、状況が改善されない場合は、何度も押す必要はありません。
リセットボタンを乱暴に扱ったり、5秒以上押したままの状態にしたり、何回も押すと、定油面器から灯油があふれることがあります。
給排気筒に抜けやゆるみ、閉塞はありませんか?
ストーブ裏側に給気管と排気管がつながって、壁を貫通し、屋外に出ている給排気トップがあります。
抜けやゆるみは排ガス漏れの原因になりますし、つまりは不完全燃焼の原因になります。
屋外で給排気トップの先に障害物があり、閉塞すると、排ガスを給気しやすくなり、不完全燃焼や運転が停止する原因になりますし、排ガスが室内に漏れて危険です。
寒冷地では、積雪により給排気トップの周りがふさがれる場合がありますので、給排気トップの周囲を常に30cm以上開けて、風がよどまないようにしてください。
また、排気管の接続部内部には、Oリングがはめ込んであります。
もし、抜けた排気管を再び取り付ける場合は、Oリングが破損していないか確かめてください。
Oリングが破損していた場合は、Oリングの取り替えが必要です。
ホームセンター等でもOリングは売っていますが、メーカーによって排気管の口径が異なりますし、耐熱性、耐油性、耐薬品性にすぐれたフッ素ゴムでなければなりません。
難しければ、専門業者に依頼しましょう。
ファンガードがほこりで目づまりしていませんか?
ストーブ裏面に対流用送風機のファンをガードする網があります。
ファンガードがごみやほこりで目づまりすると、送風力が弱くなり、排気温度が上昇する原因になります。
そうすると、過熱防止装置が働いて、運転を停止する場合があります。
対流用送風機のファンガードは、週に1回以上、掃除機等で付いたほこりを吸い取ってください。
まとめ
新しくアパートに入居した時にストーブが燃焼しない場合は、灯油タンクの送油バルブが開いているか、入居先が2階であれば、オイルサーバーのコンセントがささっているか、オイルサーバーに灯油が汲み上げられているか、オイルサーバーの流出弁フックが「開」になっているか、ストーブの定油面器のリセットボタンは押したか等確認するところはかなりあります。
使用していて急に燃焼しなくなったのであれば、灯油タンクが空になっていないか、給排気トップが閉塞していないか、対流用ファンガードが目づまりしていないか等確認してください。
対処しても異状がみられる場合は、ストーブの内部部品の交換が必要かと思われます。
扱っているのが灯油ですし、燃焼機器の異常ですから、よくわからない時は、無理をせずに専門業者に依頼しましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。