セントラル浄水器が身体に良いそうよ。
どうやって、取り付けるのかしら?
セントラル浄水器は、住宅の水道メーターを過ぎたところに取り付ける浄水器です。
流しだけでなく、風呂やトイレ等身体に水が触れる場所やお湯を供給する給湯器、植物等に水をあげる散水栓にも浄水器を通した水を供給します。
問題点もありますので、少しご説明しましょう。
セントラル浄水器とは
浄水器というと流しの蛇口の先に取り付けられているイメージがあります。
この場合、水道水の塩素を除去するのは、流しの水だけということになります。
セントラル浄水器は、宅地に引き込まれた水道管に取り付けられた水道メーターを過ぎた配管に取り付けます。
セントラル浄水器は、水道水に含まれた残留塩素等の不純物を除去します。
残留塩素は、水道水の匂いや味に影響します。
「不純物を除いたやさしい水質の浄水は、住宅設備機器の耐久性を高める効果もあります。」と話すメーカーさんもあります。
「残留塩素やトリハロメタンなどの化学物質が、飲み水や料理に使う水だけでなく、皮膚や呼吸器から吸収されることが指摘されています。シャワーやお風呂の残留塩素を除去したお湯は、アトピーや肌荒れ症の方にも安心して使えます。」と話すメーカーさんもあります。
ではなぜ、水道水には塩素が入っているのでしょう?
水道法施行規則第17条第3号に、「給水栓における水が、遊離残留塩素を0.1mg/㍑(結合残留塩素の場合は、0.4mg/㍑)以上保持するように塩素消毒をすること。」とあります。
塩素は、殺菌のために、注入されています。
塩素は注入しても、大気中に溶け込んでしまい、だんだん薄くなってしまいます。
規定の濃度を維持するために、入れ続けなければなりません。
水道水の水質基準は、水道法第4条に定められています。
水道水は、水質基準に適合するものでなければならず、各市町村の水道事業者(各市町村の役所)は、検査により、水道法に定められた項目をクリアしています。
では、浄水器が塩素を除去して、配管内に雑菌は増えないのでしょうか?
「配管内の塩素は無くなりますが、水圧がかかっていて、密閉されていますので、雑菌は侵入できません。そのため、長期間家を空けても問題ありません。」と話すメーカーさんもあります。
「配管内は光と空気が遮断され、殺菌された水道水が通過する密閉空間内のため、雑菌の入りうる要素がありません。しかし、水道管の蛇口付近は空気に触れる可能性が高まります。塩素のあるなしにかかわらず、水道水を数日間使用していない水については、数分間の捨て水をしてから飲用に使用することをおすすめします。」と話すメーカーさんもあります。
「残留塩素調整機構をもち、水道法に適合した塩素濃度を維持しています。」と話す浄水器メーカーさんもあります。
浄水器のフィルターカートリッジに雑菌は増えないのでしょうか?
フィルターカートリッジに繁殖する菌の処理は、銀イオン抗菌剤を使用するメーカーさんが多いです。
逆に、銀イオン抗菌剤が身体に悪いと訴えるメーカーさんもあります。
銀イオン抗菌剤が身体に悪いと訴えるメーカーさんは、独自の抗菌技術を開発しています。
活水器との違いは?
セントラル浄水器と同じく、水道メーターを過ぎた配管に取り付ける器具で、水を活性化する活水器というものがあります。
活水器は、一般的に塩素を除去しませんので、塩素による滅菌の効果は残ります。
では、どう水が変化するのでしょう。
「特殊素材や仕組み構造からなる水の流れや摩擦、電子や遠赤外線等のエネルギー付与により、水質や水の構造の変化を生み出します。」というメーカーさんもあります。
「特殊なフィルターを通すことにより、水に機能性をプラスします。料理がおいしく、植物が元気に、生活のすみずみまでクリーンにして、家事を助けます。」と話すメーカーさんもあります。
しかし、水の効能は、実際に使用した方でなければわからないところではあります。
市町村の水道事業者(市町村の役所)は?
市町村の水道事業者(市町村の役所)は、水道法の規定に基づき運営されています。
家のどこの蛇口をひねっても、遊離残留塩素濃度が0.1mg/㍑以上必要です。
水質基準は、水質検査により守られています。
生物が生きていくために必要な細菌もありますが、大腸菌群など、人の健康を害する菌も存在しています。
「遊離残留塩素濃度を0.4mg/㍑以下に維持し、おいしい水の供給に努めています。」と話す水道事業者(役所)さんもあります。
セントラル浄水器は、浄水器以降の配管の塩素を除去するため、規定の残留塩素濃度が確保できないことになります。
長期間家を空けた使用者が飲用に使って、お腹を壊した等の責任問題になる可能性がありますので、工事自体を許可しない市町村もあります。
ただ、新築ではなく、既存の住宅で、市町村の登録工事業者以外に取付工事を依頼されると、工事がなされていることがわからない場合もあります。
浄水器とは異なり、活水器は、塩素を除去しないタイプであれば、ほとんどの市町村が工事を許可すると思います。
まとめ
・セントラル浄水器の設置を考えているのであれば、まず、お住まいの地域の役所(水道課)に、設置許可がおりるか確認しましょう。
・許可がおりるのであれば、取り付けは地元業者に依頼した方が良いと思います。
取り付けは、メーカー業者の方が慣れていると思いますが、寒冷地では設置場所を考えないと、セントラル浄水器が凍結破損してしまいます。
地域によって配管の手法や水道工事の規定が異なったりしますので、お住いの地域の水道工事登録業者に依頼しましょう。
・セントラル浄水器設置後、フィルターカートリッジ交換等のメンテナンスが必要です。
メーカーさんと契約して、定期的にメンテンナンスをお願いしましょう。
・もし数日間、家を空けるなど、水を使わなかったときは、念のため、家の中のすべての蛇口を開けて、数分間、捨て水しましょう。
水道料金は多少かかりますが、安心して、飲用に使用するため、必要だと思います。
補足:浄水型ウォーターサーバー
浄水型のウォーターサーバーを、ご存じですか?
ウォーターサーバーというと、12Lくらいのボトルを購入してサーバーに設置するというイメージですが、家庭の水道水を使用して、浄水フィルターを通すことで、おいしい水が使用できるものもあるんです。
そして、水道直結型ではなく、蛇口の水を汲んで、ウォーターサーバーの給水タンクに注ぐだけというものもあります。
給水配管のことを気にすることなく、コンセントさえあれば、どこにでも設置できますし、水の補給さえ行えば、水量も気にせず使えます。
セントラル浄水器のように、家中の蛇口で浄水フィルターを通った水が使用できるわけではありませんが、塩素除去における配管内の水の心配もありませんし、地域の役所(水道課)の許可等も関係ありません。
サーバーはレンタルですから、定額料金で使用できます。
浄水型ウォーターサーバーについては、こちらの記事でご説明しています。
「浄水型ウォーターサーバーは設置場所を選ばない」
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。