公的施設・防災拠点単独処理浄化槽集中転換事業における費用助成ついて

浄化槽
博士
博士

環境省が行う「公的施設・防災拠点単独処理浄化槽集中転換事業」って知ってる?
地方公共団体等の所有施設の単独処理浄化槽を、合併処理浄化槽に転換する費用を助成する事業よ。

助手
助手

市町村の防災拠点となる学校、集会場、庁舎等の単独浄化槽を、合併処理浄化槽に転換する事業でもありますよね。

はじめに

環境省は、単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換を推し進めてきました。

「浄化槽設置整備事業(個人設置型)」や「公共浄化槽等整備推進事業(市町村設置型)」等の助成金支援があっても、費用負担がありますので、単独処理浄化槽はなかなか減りません。

そんな状況の中、地方公共団体等が所有する施設や学校・集会場・庁舎等の防災拠点となる公的施設に、いまだ単独処理浄化槽が多く残っていることに、転換の必要性が高いと考えました。

個人住宅等の単独処理浄化槽を合併処理浄化槽に入れ替えることを推し進めているにもかかわらず、単転換促進の指導を行う立場にある地方公共団体が所有する施設に単独処理浄化槽が多く残っていては、指摘されることは免れません。

そこで環境省は、「公的施設・防災拠点単独処理浄化槽集中転換事業」として、地方公共団体等の所有施設または、市町村の防災拠点施設の単独処理浄化槽を集中的に撤去し、合併処理浄化槽に転換する費用について、助成金を出して支援する事業を始めました。

公的施設・防災拠点単独処理浄化槽集中転換事業

環境省が行っている、令和4年度全国浄化槽行政担当者会議(第2回)説明資料「浄化槽整備関係の交付金・補助金の積極的な活用について」より、「背景・目的」「事業概要」を記載します。

背景・目的

・改正浄化槽法の成立を受け、単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換促進施策を講じてきましたが、依然として360万基もの単独処理浄化槽が設置されており、より強力な施策が求められています。

・そうした状況の中、単独転換促進の指導を行う立場である地方公共団体が所有する単独処理浄化槽が、全国で約3.9万基残存しており、早急な対策が必要です。

・特に、防災拠点となる公的施設(学校、集会場、庁舎等)の単独転換は、国土強靭化の観点からも必要性が高いです。

事業概要

地方公共団体等の所有施設または、市町村の防災計画に定める防災拠点施設の単独処理浄化槽を集中的に撤去し、合併処理浄化槽に転換する費用について、助成率1/3(または、1/2 ※環境配慮・防災まちづくり浄化槽整備推進事業として実施の場合)により助成を行います。

事業対象は、地方公共団体(市町村設置型)です。

※防災拠点単独処理浄化槽集中転換事業は、個人設置型についても助成します。

上記「環境配慮・防災まちづくり浄化槽整備推進事業」というのは、環境省が行う「浄化槽の整備(循環型社会形成推進交付金(浄化槽分))」の取り組みのひとつです。

浄化槽整備事業(循環型社会形成推進交付金(浄化槽分))

単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換や、公共浄化槽の整備促進・管理向上等を支援する事業です。

市町村が行う浄化槽整備事業(浄化槽設置整備事業(個人設置型)・公的浄化槽等整備推進事業(市町村設置型))に対して、交付金により支援するものです。

「環境配慮・防災まちづくり浄化槽整備推進事業」「汚水処理施設概成に向けた浄化槽整備加速化事業」「単独処理浄化槽やくみ取り槽から合併処理浄化槽への転換」「公共浄化槽による整備促進・管理向上に向けた事業」「市町村が定める浄化槽長寿命化計画に基づく浄化槽の改築事業」「浄化槽整備効率化事業」からなります。

環境配慮・防災まちづくり浄化槽整備推進事業

単独処理浄化槽やくみ取り槽から合併処理浄化槽(環境配慮型浄化槽に限る)に事業計画額の6割以上転換する事業であり、国の助成金交付率は1/2になります。

浄化槽国庫助成事業(循環型社会形成推進交付金)に係る基準額改定について

浄化槽の国庫助成金事業の基準額については、浄化槽の設置費用等に係る実態を調査し、その結果を適切に反映させ、必要な基準額の改定を行うこととされています。

令和5年度より適用される基準額は以下の通りです。

市町村(及び都道府県)における補助事業等の実施に際して、この基準額にて対応することになります。

【浄化槽設置整備事業】(個人設置型)

通常分 (単位:円)

区分人槽基準額(現行)改定額
窒素又は燐除去能力
を有する高度処理型
の浄化槽
5人槽
6~7人槽
8~10人槽
384,000
462,000
585,000
360,000
 ―
 ―
高度窒素除去能力を
有する高度処理型の
浄化槽
5人槽
6~7人槽
8~10人槽
474,000
615,000
723,000
 ―
570,000
 ―

豪雪地帯又は特別豪雪地帯分 (単位:円)

区分人槽基準額(現行)改定額
浄化槽

5人槽
6~7人槽
8~10人槽
352,000
441,000
588,000
390,000
474,000
660,000
窒素又は燐除去能力
を有する高度処理型
の浄化槽
5人槽
6~7人槽
8~10人槽
408,000
492,000
627,000
 ―
 ―
684,000

撤去費 (単位:円)

区分基準額(現行)改定額
単独処理浄化槽撤去費90,000120,000

【公共浄化槽等整備推進事業】(市町村設置型)

通常分 (単位:円)

区分人槽基準額(現行)改定額
浄化槽

5人槽
6~7人槽
8~10人槽
837,000
1,043,000
1,375,000
 ―   
 ―
 ―
窒素又は燐除去能力
を有する高度処理型
の浄化槽
5人槽
6~7人槽
8~10人槽
882,000
1,080,000
1,404,000
 ―
 ―
 ―

豪雪地帯又は特別豪雪地帯 (単位:円)

区分人槽基準額(現行)改定額
浄化槽

5人槽
6~7人槽
8~10人槽
882,000
1,104,000
1,495,000
978,000
1,188,000
1,668,000
窒素又は燐除去能力
を有する高度処理型
の浄化槽
5人槽
6~7人槽
8~10人槽
930,000
1,143,000
1,527,000
996,000
1,206,000
1,698,000

撤去費 (単位:円)

区分基準額(現行)改定額
単独処理浄化槽撤去費90,000120,000

まとめ

環境省は、単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換を推し進めてきました。

「浄化槽設置整備事業(個人設置型)」や「公共浄化槽等整備推進事業(市町村設置型)」等の助成金支援があっても、費用負担がありますので、単独処理浄化槽はなかなか減りません。

そんな状況の中、地方公共団体等が所有する施設や学校・集会場・庁舎等の防災拠点となる公的施設に、いまだ単独処理浄化槽が多く残っていることに、転換の必要性が高いと考えました。

個人住宅等の単独処理浄化槽を合併処理浄化槽に入れ替えることを推し進めているにもかかわらず、単転換促進の指導を行う立場にある地方公共団体が所有する施設に単独処理浄化槽が多く残っていては、指摘されることは免れません。

そこで環境省は、「公的施設・防災拠点単独処理浄化槽集中転換事業」として、地方公共団体等の所有施設または、市町村の防災拠点施設の単独処理浄化槽を集中的に撤去し、合併処理浄化槽に転換する費用について、助成金を出して支援する事業を始めました。

地方公共団体が税金を使って建てた施設の単独処理浄化槽を、税金を使って合併処理浄化槽に転換し、その工事費を国が税金を使って助成しています。
公的施設は単独処理浄化槽を撤去し、合併処理浄化槽に転換していますので、個人の方も助成金を出しますから、費用はかかりますが、自宅の単独処理浄化槽を合併処理浄化槽に転換してくださいということです。

いまいち納得いかないような気もしますが、単独処理浄化槽が合併処理浄化槽に転換されれば、環境衛生が良くなりますし、助成金があるうちに工事を考えるのも有りかと思われる方は、一度地域の役所に相談してみてはいかがでしょうか。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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