換気設備に関する一考察

換気
博士
博士

家を建てる時、間取りとか、使い勝手とかは皆考えますよね。
こんなキッチンがいいとか。
トイレはこうしたいとか。

助手
助手

ただ、換気については、ああしたいとか、こうしたいとかあまり聞かない気がします。

どんな時換気が必要と思いますか?

家を建てる時、「キッチンは使い勝手を重視したい」とか、「トイレは広くゆったりしたつくりにしたい」とか、それぞれの方がこだわりを持たれますが、換気設備は、あまり重要に思われていません。

どんな時、換気のことを思うのでしょうか。

料理を作っていて、家の中が煙たい時

さすがに家の中が煙たいと、換気設備が欲しくなります。

それで、キッチンで調理する時は、「レンジフード」で換気しますね。

汚れ物をため込んで、家の中が臭い時

ごみを捨て損ねた。
使った食器を洗い忘れた。
洗濯物がたまっていた。

家の中が臭い時、窓を開けるか、換気扇を回します。

換気が必要な時って、それくらいでしょうか?

気づきにくいことかもしれませんが

生活する中では、慣れてしまうと気づきにくくなるかもしれませんが、放っておいてはいけないこともあります。

息苦しい時

部屋にいて、なんか息苦しいことってありませんか。
それは、換気ができていないからです。

家の中に空気の流れがありません。

昔は、すき間風が入ってきて、勝手に換気してくれました。

しかし、今の住宅は、気密性が高く、すき間風は入ってこないでしょう。

それ自体は、とても良いことです。
暖気も冷気も逃げにくく、無駄になりませんから、暖房も冷房もコストがかからなくなります。

ただ、気密性が高い分、換気設備が無いと、空気がよどみ、息苦しくなることがあります。

暑い時

家の中がむしむしする時、窓を開けますよね。

窓を1箇所開けても、室内の空気はあまり動きませんが、2箇所開けると空気の流れができます。

換気扇を回した時、窓を開けると、空気が窓から入って換気扇から出るという流れができ、部屋の空気の入れ替えがスムーズになります。

湿気でべたべたする時

家の中がべたべたするのも、換気がうまくいっていないことが原因です。

部屋を閉め切って、換気をしないと、湿気がたまり、部屋の中がべたべたします。

寒い冬場に、締め切った部屋でストーブをガンガンたくと、窓の外側は寒く、窓の内側は暖かいので、湿気のために窓の内側がひどく結露します。

部屋の中の湿気を屋外に排出し、結露を抑えるのも換気の仕事です。

換気設備とは

きれいな空気の入り口と汚れた空気の出口からなります。

パイプファンと自然給気口 もしくは、天井換気扇と自然給気口

壁の給気口から新鮮な空気を取り込み、パイプファンか天井換気扇から汚れた空気を排出します。

設置費用が安く、最も一般的な換気設備だと思います。

ただ、給気口から取り込まれる新鮮な空気は、外気をそのまま取り込むため、冬季においては、冷たい外気を家の中に取り込み、家の中の暖気を汚れた空気と一緒に排出してしまいます。

夏季においては、エアコンをつけていた場合、暑い外気を家の中に取り込み、家の中の冷気を汚れた空気と一緒に排出してしまいますので、熱ロスが大きくなります。

熱交換形換気扇

1台で給気と排気の両方の機能を持ち、屋外から取り込む給気に、室内で暖めた暖気、もしくは、室内で冷やされた冷気を奪わせる熱交換形換気扇を使用することで、冷暖房時の熱ロスを抑えることができます。

ただ、部屋ごとに換気扇を設ける必要があるため、設置費用は高くなります。

まとめ

平成15年建築基準法でシックハウス対策のための新たな基準が設けられました。

それまでは、換気扇が設置されているのはキッチンと浴室くらいで、他の部屋はトイレも含めて換気口くらいしか設置されていないことも多かったと思います。

それが、シックハウス対策のための規制をクリアし、各部屋の換気を1時間にその部屋の半分の空気が入れ替えられるように24時間換気することが必要になりました。

換気設備は大切です。
ただ、性能が良くなれば、コストがかかります。

快適性と工事費用、維持費用のバランスを考えるのは難しいですね。

換気システムにもいろいろあります。

個別換気
 1.機械排気と自然給気の組み合わせ
 2.機械排気と機械給気 熱交換形換気扇の組み合わせ

トータル換気
   機械排気と自然給気の組み合わせ

セントラル換気
   機械排気と機械給気 熱交換気調システムの組み合わせ

局所換気
   キッチンのレンジフード

換気の種類、シックハウス対策、換気システム等については、関連記事「健康で快適な生活をするために換気設備は大切です」にて紹介しています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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