太陽光発電と自家風力発電 管理しやすいのは?

太陽光発電
博士
博士

自家風力発電は、太陽光発電より発電効率が良いそうよ。

助手
助手

自家風力発電は、風を受けてプロペラが回転するため、部品の摩耗や破損の可能性が高まるそうですよ。

自家風力発電

風の力でプロペラを回し、プロペラが回転するエネルギーで発電機を回して、電力を生み出すのが風力発電です。

プロペラが風を切るため、振動や騒音の問題があります。

平均で風力5m/s~6m/sの風が吹く環境で、発電施設の建設をする必要がある風力発電ですが、近年、2m/s~3m/s程度の弱い風でも発電ができ、振動や騒音が小さい小型風力発電機も開発されています。

地上15m以下、出力20kw以下の風力発電装置は、電力会社への届出の必要もなく、家庭用として自宅の敷地に設置することも可能です。

自ら風力発電機を設置し、その風力によって生み出した電力を消費するのが、「自家風力発電」です。

風力(風の運動エネルギー)の何%を電気エネルギーに変換できるかを示した数値を「発電効率」といいます。

小型風力発電でも、大型風力発電に負けない発電効率40%のものが現れています。

太陽光発電と自家風力発電

太陽光発電の場合、太陽が出ていないと発電できませんが、風力発電の場合は、一定の風速以上の風が吹いていれば、24時間発電できます。

太陽光発電の発電効率は、20%程度ですが、風力発電の発電効率は40%程度あります。

太陽光発電も風力発電も、作った電気を自家消費すれば、電気料金の節約になりますし、災害等の停電時も、自家発電であれば電気が使えます。

太陽光発電、自家風力発電は、大規模な発電施設を必要としないため、離島等電気を通すのが困難な地域でも設置することができます。

しかし、太陽が出ていないと発電できない太陽光発電と同様に、一定以上の風が吹かないと風力発電は発電できません。

風は常に同じ強さで吹いていないため、風力発電も安定した発電が難しくなります。

風力発電は、導入費用の高さだけでなく、自然災害等による設備の損壊の可能性があり、定期的なメンテナンスがかかせません。

風力発電の場合は、風を受けて回転する機構を持っており、太陽光発電等に比べると部品が多く、稼働するための部品の摩耗や破損の可能性が高まりますので、より細やかなメンテナンスが必要です。

また、風力発電の場合、プロペラが風を切るため、振動と騒音という特有の問題がおこります。

振動や騒音は、可能な限り小さくすることはできても、完全になくすことはできないため、地域住民とのトラブル等の可能性があります。

太陽光発電と自家風力発電を合わせる(ハイブリッドタイプ)等、お互いの長所をうまく組み合わせた運用も進んでいます。

風力発電設備の設置に係る電気事業法の取扱い(経済産業省)

出力20kw未満の風力発電設備(小出力発電設備扱い)

電気事業法上は、「一般用電気工作物」になる小出力発電設備の所有者は、主任技術者の選任や保安規定の届出等の手続きは不要ですが、経済産業省令で定める技術基準に適合させる義務があり、経済産業省職員による法第107条第5項に基づく立入検査を受けることがあります。

立入検査の結果から、技術基準に適合していないことが判明した場合には、所有者の方には、自主的に補修等を行っていただくことになります。

また、設備の状態によっては、稼働の一時停止をお願いすることがあり、補修等を行わないまま稼働を継続した場合、法に基づく「技術基準適合命令」が発令され、その事実が経済産業省のホームページ等で公表されることとなります。

なお、技術基準に適合していない場合は、FIT法における認定が取り消されることがあります。

ここまでは、経済産業省令で定める技術基準に適合さえしていれば、特別な届出は必要なかったのですが、2023年3月20日よりスタートする「小規模再エネ発電設備新制度」により、届出書類が増えることになります。

「小規模再エネ発電設備新制度」は、出力20kw未満の風力発電設備だけでなく、出力10kw以上50kw未満の太陽光発電設備にも適用されます。

小規模再エネ発電設備新制度スタート(経済産業省)

2023年3月20日より前の電気事業法においては、小出力発電設備(太陽電池発電設備(50kw未満)、風力発電設備(20kw未満))については、「一般用電気工作物」として取扱い、一部の保安規定は対象外とされていました。

2023年3月20日より、これまで一部保安規定の対象外だった小出力発電設備(太陽電池発電設備(10kw以上50kw未満)、風力発電設備(20kw未満))について、新たな類型である「小規模事業用電気工作物」に位置づけられました。

小出力発電設備には、既存の事業用電気工作物の規定(技術基準適合維持義務等)を適用しつつ、保安規定・主任技術者関係の規制については、これに代わり、「基礎情報届出」が必要となります。

技術基準適合維持義務の対象が拡大

技術基準適合維持義務の対象が拡大され、小規模事業用電気工作物(太陽電池発電設備(10kw以上50kw未満)、風力発電設備(20kw未満))も、技術基準適合維持義務の対象となります。

基礎情報届出が新設され義務化

基礎情報届出の制度が新設され、小規模事業用電気工作物(太陽電池発電設備(10kw以上50kw未満)、風力発電設備(20kw未満))は、基礎情報の届出が義務となります。

既設の設備(FIT認定を受けている設備は除く)についても、2023年3月20日の施行から6ヵ月以内(9月19日まで)に届出が必要です。

「基礎情報の項目に変更があった場合」「小規模事業用電気工作物に該当しなくなった場合(廃止を含む)」の既設設備は、FIT認定の有無にかかわらず、届出が必要です。

使用前自己確認の対象が拡大され義務化

使用前自己確認の対象が拡大され、新設する一部の事業用電気工作物(太陽電池発電設備(500kw以上2000kw未満)、風力発電設備(20kw以上500kw未満))及び、小規模事業用電気工作物(太陽電池発電設備(10kw以上500kw未満)、風力発電設備(20kw未満))は、使用前自己確認が義務となります。

既設の設備は対象外ですが、既設設備に一定の変更の工事を行った場合(特に、パネルの増設等による構造面での変更)には、使用前自己確認結果の届出が必要となります。

経済産業省「小規模事業用電気工作物にかかる届出制度等についての特設サイト」参照

届出先は、経済産業省の地方組織である、管轄の「産業保安監督部」になります。

まとめ

自家風力発電設備も、太陽光発電設備と同様に自宅の敷地に設置することが可能です。

太陽が出ていないと発電できない太陽光発電と異なり、自家風力発電は、一定の風が吹いている限り、24時間発電できます。

発電効率も、太陽光発電の20%程度に比べると、風力発電は40%程度と高くなります。

しかし、風は常に同じ強さで吹いているわけではないため、自家風力発電も、安定した発電は難しくなります。

そして、風力発電の場合は、風を受けて回転する機構を持っており、太陽光発電等と比べると部品が多く、稼動するための部品の摩耗や破損の可能性が高まり、より細やかなメンテナンスが必要です。

また、風力発電の場合は、プロペラが風を切るため、振動と騒音の問題があり、地域住民とのトラブル等の可能性もあります。

2023年3月20日より、「小規模再エネ発電設備新制度」が、出力10kw以上50kw未満の太陽光発電設備と出力20kw未満の風力発電設備に義務化されるのであれば、届出書類が増えるのは、太陽光でも風力でも同じです。

発電設備のメンテナンスからしても、太陽光発電設備の方が、まだ管理しやすいと考えられます。

太陽光発電導入については、「太陽光発電導入における0円ソーラーとPPAモデル」にてご説明しております。

また、太陽光発電と自家風力発電を合わせる(ハイブリッドタイプ)等、お互いの長所をうまく組み合わせた運用も進んでいます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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